パピートレーニングから
成犬の問題行動カウンセリングまで
 
日本聴導犬協会主催 介助犬トレーニングセミナー
2006年5月3日〜7日に日本聴導犬協会主催 ボニー・バーゲン博士の介助犬トレーニングセミナーにダイナと参加しました。
講師であるボニー博士は、世界で初めて介助犬を考えた方で、世界最大のCanine Companion for Independence(略してCCI)の創設者であり、介助犬訓練の創始者。また、国際アシスタンス・ドッグ協会の第1代会長を務め、現在介助犬の育成者を育てる、Assistance Dogs Institute(略してADI)の学長として、米国はもとより欧州やアジアの学生を受け入れています。

ボニー博士による介助犬訓練の最大の特徴は、動物行動学と教育学を取り入れたトレーニングメソッド。
今回はそのメソッドについて、5日間かけてたっぷり学びました。

【トレーニングセミナー内容】

子犬からの社会化の重要性
少年院での介助犬育成プログラム
アカデミカル介助犬訓練の実践
人と犬との性格から診る正しいマッチング方法
犬の進化:文字や図を認識する犬たち

  
 会場 :東京コミュニケーションアート専門学校

【子犬からの社会化の重要性】

介助犬や聴導犬、盲導犬といった補助犬を育成するためには、何よりもまず社会化が重要になります。
家庭犬であれば多少社会化不足であっても問題ありませんが、補助犬ではそうはいきません。社会化が十分成されていなければ、補助犬の役割は担えないのです。
介助犬を育成しているボニー先生は、自分の施設で介助犬に向く気質の優れた犬を繁殖し、子犬からの社会化・トレーニングを実施しています。そのため、ボニー先生の施設で育った介助犬はユーザーからの満足度も高く定評があるそうです。

ここ数年、海外の先生によるセミナーでは「いかに子犬の社会化が重要か」という話が必ず出ます。
子犬の時期にしっかりと人・犬・環境に社会化させておけば、コ育てが本当に楽なのです。
この話を聞くたびに、ガイ・ダイナが訓練所にいたためきちんと社会化できなかったことが残念でたまらなくなります。
子犬を飼い始めた方は、生後6ヶ月までにとにかく社会化を充分行うようにして欲しいです!

【少年院での介助犬育成プログラム】

ボニー先生は介助犬の育成だけではなく、アメリカの少年院で介助犬を導入した更生プログラムを実践している。
これは、犯罪を犯して少年院に入った少年少女たちに、介助犬を育てさせ更生させるというプログラム。
このような更生施設に入る子供たちのほとんどが親の愛情を受けずに育っていて、それが暴力や犯罪を犯す原因になっているのです。
子どもたちは、介助犬トレーニングを通して犬と触れ合い、愛することを知り愛されることを知り、怒りを抑えることができるようになるそうです。
またこのプログラムの素晴らしい点は、子どもたちが育てた介助犬がきちんと実用され、体の不自由な方々の役に立っているのです。


このプログラムは高い効果を出していて、今注目されているそうです。


【アカデミカル介助犬訓練の実践】

実践トレーニングでは、基本的なことから介助犬の訓練で教える特殊なトレーニングまで教えていただきました。

基本的なトレーニングでは、「Down」(伏せ)、「Stand」(立て)、「Shake」(お手)、「Stay」(待て)、「Roll」(お腹を見せる)、「Heel」(脚側歩行)の練習をしました。介助犬のトレーニングでは、練習用の扉や冷蔵庫、電気のスイッチなどを使って実践的な練習をしました。

●「Here」:自分が指示した場所に犬を移動させる
●「Tug」:ロープを引っ張る→ロープを扉や冷蔵庫に縛り、引っ張らせて開けさせるため。
●「Take it」:床に置いたダンベルをくわえさせる。→落ちた物などを拾わせるため。
●「Light」:練習用の電気スイッチを押させる→電気をつけさせるため。

基本的なトレーニングは普段教えていることなので問題なかったのですが、電気のスイッチを押させたり、扉を開けさせるトレーニングなどは初めてだったのでなかなか上手教えられず、この5日間ではマスターできませんでした・・・。
新しいことを教えると自分のトレーニングレベルも分かるし、犬とどれだけコミュニケーションが取れているかも確認できるんですよね。
新しいことにチャレンジする、スキルアップすることの大切さを再確認しました。


【人と犬との性格から診る正しいマッチング方法】

このマッチング方法はボニー先生が考えたもので、犬の行動学、人間の行動学・心理学など様々な要素が組み込まれていて、とても興味深いものでした。
この方法には4つのタイプが定義されていて、人と犬とがどのタイプに当てはまるか考えます。
その4つのタイプは、@Analytical(分析的) ADriver(行動的・リーダー的) BAmiable(好意的・愛想がいい) CExpressive(表現に富む・自己顕示的)。
そして、それぞれのタイプでどのような行動傾向が見られるか、どのような体の動きをするのかなどが表になっていて、それらを参考に自分と愛犬がどのタイプか判断するのです。
参加者はそれぞれ自分と愛犬がどのタイプか、楽しそうにチェックしていました(^-^)

ボニー先生曰く、飼い主と愛犬とが同じタイプ(=似ている)であるのがベストなマッチングだそうです。
タイプが離れていればいるほど、問題が起きたり上手くいかない可能性が高いとのこと。
このタイプ判断はマッチングを診るためだけではなく、自分がどんなタイプなのか愛犬がどんなタイプなのかを知る良い方法になるなと思いました。


【犬の進化:文字や図を認識する犬たち】

ボニー先生のトレーニングメソッドで一番ユニークなのが、犬に文字や絵を認識させるトレーニングを行うということです。
なぜ犬に文字や絵を認識させるのか?これは介助犬の仕事上必要だからなのではなく、脳を刺激させるためだそうです。
脳には4つの領域(右脳前頭葉・左脳前頭葉・右脳後頭葉・左脳後頭葉)があり、人間も犬も文字や絵を認識する際はこの脳の4つの領域全体を使うんだそうです。
そのため、文字や絵を認識させることで脳全体が活性化され考えることができる犬になるとのこと。
介助犬はいろいろな状況で常に考えることを要求されるため、このトレーニングはとても大切なんだそうです。

「SIT」を読ませるトレーニングの手順は・・・
@「SIT」と書かれたA4サイズのカードを片方の手に持ち後に隠します。そしてもう片方の手にはトリーツを持ちます。
A犬を自分の正面に立たせ、「SIT」のカードを犬の目の前(必ず犬の目線と同じ高さ)に出す。
B「Sit(オスワリ)」と言う。
C犬がお座りしたら「Yes!」と言って、トリーツをあげる。
※この手順で同じように他の文字(「STAND」「DOWN」「STAND」など)や絵も教えます。

<ボニー先生が実際のトレーニングで使っている文字や絵>
文字の例 SIT DOWN STAND ROLL LIGHT



ボニー先生と
今回のセミナーには、聴導犬のユーザーさんや盲導犬のユーザーさんも参加されていました。セミナー中のトレーニングの様子を見て、補助犬になる犬たちは考える力がきちんと備わっているのだと間近で実感しました。
普段あまり接する機会のない補助犬と会うことができて、貴重な経験ができました。
(今現在日本では、聴導犬が11頭、介助犬が32頭、盲導犬が約1000頭しかいないそうです。)
また、参加する前は「介助犬トレーニング」は特別なトレーニングだと思っていましたが、基本的な部分は家庭犬のトレーニングと同じで、参考・勉強になることがたくさんありました。
ガイとダイナにも文字を読ませるぞ〜!

<ボニー先生の最新の著書>
今現在は英語版しかないですが、日本語訳も出版予定だそうです。
(左)「ポチたま」にも出た新人聴導犬のあきちゃん
(右)聴導犬のななちゃん
(中央)盲導犬ユーザーの深谷さんと盲導犬のフォルテ
(右)K9ゲームのチームメイトだった梅村さんとマフィー
(左)私とダイナ

参加者全員での集合写真

<おまけ>
(前から)じんべい→マフィー→めかぶ→うらら マフィー&うらら (左から)うらら・マフィー・ダイナ かわいい?ダイナ(♂)

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